物騒な記事タイトルからこんにちは。
これは僕が保育園児だった時の話です。
当時住んでいたその地区は家が密集していて子供が多く、常に子供が遊びまわっていたような土地で、その日も確か保育園の後?とかに皆と遊んでいたんだと思います。
保育園で仲が良かった子達である「ヒロくん」「たっくん」と言う二人と、これは僕も正直理解してないんですけど、「親同士的には仲が良いと思ってるんだけど別に保育園で遊んだことが無い仲」であった「たくちゃん」と言う子が居ました。
たっくんとたくちゃん、わかりにく過ぎるだろ!と当時も思ってました。
で、たくちゃんとは本当にそんな仲は良くなかったし、なんでか知らないけどその日たまたまたくちゃんが僕らの地区にいて(そもそも同じ地区だったのに気づかなかっただけかもれない)、たくちゃんを交えて遊び始めたんですね。
僕らの当時の遊びは「ウルトラマンのソフビで殴り合う」「ソフビでブンドド」「自転車で当てもなく走って探検」のどれかだったんですけど、たくちゃんは自転車を持ってなかったんです。そうなるとみんなゆっくり走るか徒歩…これはつまらんぜ。
困ったなぁ…何して遊ぶかなぁ、と思っていると近くにトタンの壁のかなり古い長屋があったんですね。そして僕は「ここを探検しよう!」と大人だったら一発アウトの不法侵入を敢行し、皆を巻き添えにしました。
イメージしにくいとは思いますが、ドブを飛び越えて、植え込みを乗り越え…
コの字型の中庭?から縁側的な扉から入ることにしました。
恐る恐る鍵が開いているところから侵入し…中の扉を一つ開けようとした時。
「何をしているの?」
とせんべい布団に横たわっていたお爺さんが声をかけてきて、驚きの余り大声を出して逃げる僕たち。
逃げろ!逃げろ!
とにかく捕まったらなんかやばい!
たっくんもたくちゃんも泣いており、ヒロくんと僕は涙を流さない代わりに汗まみれになり、必死に逃げるんですけど、ジジイが思いの他健闘するんです。
…今思うと大人の今の体だったら一瞬で歩く距離の敷地なんですけど子供だったので馬鹿みたいに広い庭のように感じたんですね。
そしてジジイが植え込みを乗り越え、遂に掴み捉えたもの。
それはたくちゃんでした。
僕たちは「ごめんね!ごめんね!たくちゃんごめんね!」
「逃げろたくちゃん!!!」(タイトル回収)
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ァ”ァ”---(号泣)」
とそれぞれたくちゃんにメッセージを残し、見捨て、近くに停めてあった自転車にライドオン!して家に帰りました。
そしてたくちゃんは(朧げな記憶の中では)次の日保育園には来ず、「たくちゃんはジジイモンスターに殺された!」「捕まって食われた!」等と話をして僕の中ではジジイにたくちゃんが食われたことによる悲しみ、恐怖、後悔ではなく
「僕のせいでたくちゃんジジイに食われたじゃん…」と親や先生に怒られることを恐怖していました。浅ましい。
そしてたくちゃんがジジイに食われている訳がないのでまた別の日から来ていたんですけどたくちゃんは僕たちに怒っているのか、又は本当にジジイに魂か何かを取られたのか滅茶苦茶元気が無く、笑わない奴になってしまい結局僕が引っ越しをするまで遊ぶ事はありませんでした…
と言う話です。
たくちゃん!見てるか!見てたら返事ください。
終わり