雑の食

面白かった事気付いた事昔の事

そうじゃなかった話【昔話シリーズ】

僕の通っていた高校で1年生の入学直後の頃、

内部生はそこまでではないけれど、外部から来た生徒は兎角舐められないようにかオラオラオーラを出す奴らのせいで初期の頃は変な空気があり、それに加えて

同学年に「高校デビュー」と言われるタイプの生徒が比較的多く、如何にオラつけるかみたいなよくあるムーヴが多く見られたのでとても雰囲気が微妙だった。

ここからが本題で、高校1年生の時隣のクラスにある同級生が居た。

彼も先述した所謂それだったようで、目立つ行動(他の生徒に比べると控えめだが)が見えるにつれ「中学の頃はこんなんだった」「デビューがイキんな」みたいな声もチラホラと耳に入った。

 

ある日の下校中、体育で合同授業で数回話した程度の関りしかない俺に話しかけてきてしばらく立ち話をした。

そしてしばらく言葉を交わす内に、ある事に気づいた。

そこまで話したことがないのに加えて生来人の名前を覚えるのが苦手な俺は彼の名前を知らなかったのだ。

このままではコミュニケーションが取りにくいし、と名前を聞いてその場は普通に会話をして帰宅。

 

そして次の日の帰り道、偶然また会ったので

「おお、まさよし!またな!」と帰り際のなんてこともない気軽な挨拶をすると、

「おう!」と元気よくその慣れていないワックスでベットベトの髪を持って挨拶を返してくれた。

 

それから1か月程度が経過して、最寄り駅でまさよしに出会った。

改札を抜ける手前あたりで適当な会話をしようと思い、

「お、まさよしは〇〇線?」と適当な話題を放り投げると

「は?ちげぇよ」と少し苦笑いで返してくるまさよし。

「あーじゃあ△△線か、まさよし一回も△△線で見たことないのになぁ」と普通の返答をしたつもりが

「ちげぇって!何言ってんだお前は!」

と少しハイテンションで返答をしてきて困ってしまった。

まさよしにはそういうところがあった。

しかしその最寄駅からは〇〇駅と△△駅しかない。

「え、じゃあいつも何乗ってんの?」と困惑しながら聞くと

「”まさとし”だよ!まさよしって誰だよ!!!」

お前もっと早く突っ込めよ

間違えた俺が悪いけど